前回のブログの(配当金の推移を振り返る|数字が語る「複利の正体」)で触れた通り、投資を続けていると、ある時ふと気づく瞬間があります。
「あれ?今年、俺ほとんど頑張ってないのに、資産めっちゃ増えてない?」
この現象を、経済学ではたった3文字で表します。
それが r>g(アール大なりジー)です。
r>gを超シンプルに言うと
- r:お金が増えるスピード(資産運用の利回り)
- g:自分が働いて稼ぐスピード(給与の伸び)
つまり、
お金が増える速さ > 自分の給料が増える速さ
この状態が r>g。
もう少し噛み砕くと、
「自分が働くより、お金のほうが優秀」
という、ちょっと悔しいけど嬉しい状態です。
サラリーマン目線で考える r>g
例えば、こんな感じ。
- 年収の伸び:年2%
- 資産の運用利回り:年5%
この時点で、もう r>g です。
しかも怖いのはここから。
- 年収600万円 × 2% = +12万円
- 資産2億円 × 5% = +1,000万円
……もう勝負になりません。
人生の主役は
「自分」→「資産」 に交代することになるでしょう。
r>gが成立すると、何が起きるのか
① 努力と成果が切り離される
若い頃は、
- 残業
- 資格
- 転職
- 副業
と、頑張った分だけある程度の結果が出ます。
でも r>g に入ると、
「今年何したっけ?」
「特に何も…でも資産増えてる」
という、不思議ゾーンに突入することが想定されます。
② 投資スタンスが激変する
r>g に入った人(富裕層)が、投資スタイルを守りに入る理由は単純で
- 増やす必要がない
- 減らすリスクのほうが痛い
このフェーズでは、資産を減らさないようにする
攻めない戦略が有効になります。
③ お金の悩みが「質的」に変わる
r>g 前:
「どうやって増やすか」
r>g 後:
「なかなか減らないお金をどう使うか」
「いつ仕事を減らすか」
「人生の自由度をどう配分するか」
悩みの種類が、完全に変わることが想定されます。
r>gは才能じゃない、時間の問題
ここが一番伝えたいポイントです。
r>gに必要なのは、
- デイトレで短期間で億を稼ぐような、天才的な投資センス
- 起業に成功して、高年収を得る
などではありません。
必要なのは、
- 入金を止めないこと
- 退場しないこと
- 複利が効くサイズまで耐えること
地道で華やかなものではありませんが、ただそれだけ。
過去にも紹介している

「20年目以降、入金を止めても資産が増え続けるグラフ」
あれこそが、r>gの完成形です。
r>gはゴールではなく「世界線の分岐点」
r>gに入ると、
- 働く or 働かない
- 使う or 使わない
- 攻める or 守る
これらを自分で選べる立場になります。
つまり r>g とは、
「お金に勝つ」ことではなく
「お金に急かされない人生に入ること」
なのだと思います。
まとめ
r>gとは、資産形成の最終奥義ではない。
それは、自分が働かなくても、資産が自分の代わりに働き始めること。
そこに辿り着く方法は、意外なほど地味で、十分に再現可能。