株式投資をしていると、ニュースなどで
「A社は自社株買いを実施」
ということを耳にしたり、記事を見かけることがあります。
このニュース、投資家界隈ではだいたい好意的に受け止められます。
でも「A社が自分の株を買っただけであって、なぜそれが株主にとってなにが嬉しいの?」という方も多いはず。
今日は、自社株買いがなぜ株主にとって“おいしい話”なのかを、できるだけ分かりやすく解説します。
① 自社株買い=「1株あたりの価値」が上がる
まず一番大事なポイント。
自社株買いとは、会社が市場から自分の会社の株を買い戻すことです。
買い戻された株は消却されるか、使われないまま保有されます。
ここで何が起きるかというと…
株の総数が減る
↓
1株あたりの取り分が増える
ピザで例えると分かりやすいです🍕
- ピザ1枚を10人で分ける → 1人あたり1/10
- ピザ1枚を8人で分ける → 1人あたり1/8
ピザの大きさは同じでも、人数が減れば1人あたりは大きくなる。
自社株買いは、これとまったく同じ構造です。
② EPS(1株利益)が上がりやすくなる
株の価値を測る指標のひとつに EPS(1株あたり利益) があります。
EPS = 利益 ÷ 発行済株式数
自社株買いで「分母(株数)」が減れば、
利益が横ばいでも、分母の数が少なくなる分、EPS(1株あたりの利益)は上がりますよね。
EPSが上がると何が起きるか?
- PERが下がる(=割安に見える)
- 株価が見直されやすくなる
- 機関投資家が評価しやすくなる
つまり、自社株買いは株価を底上げする施策とも言えます。
③ 配当と違って「税金を後回し」にできる
自社株買いは、「配当金を配らない代わりに、税金を支払いを後回しにして、株の価値を高めようとしている」と解釈もできると思います。
- 配当 → もらった瞬間に、配当金の約20%の税金がかかる。
- 自社株買い → 株主に税金はかからない。株価に反映されるだけ(売らなければ非課税)
長期投資家にとっては
👉「自分のタイミングで利益確定できる」
👉「税金のコントロールがしやすい」
というメリットがあります。
④ 経営陣の株主に対する“意思”の表れ
自社株買いは、会社にとっても安い買い物ではありません。
それでも実施するということは、
- 「今の株価は安すぎる」
- 「余剰資金を無駄に使わない」
という経営陣からのメッセージでもあります。
もちろん、すべての自社株買いが正解とは限りません。
成長投資を削ってまでやるのは本末転倒です。
ただし、
- 成熟企業
- キャッシュリッチ
- 成長投資は一巡している
こうした企業の自社株買いは、株主重視の姿勢として評価されやすいのも事実です。
まとめ:自社株買いは実感しにくい「株主還元」
自社株買いは、配当のように実感しやすいものではありません。
でも実は、
- 1株あたり価値が上がる
- EPSが改善しやすい
- 税効率がいい
- 株主還元の意思の表れ
という、じわじわ効く株主還元策です。
決算資料で「自社株買い」の文字を見つけたら、
「お、ピザが大きくなるやつだな」と思い出してみてください。