株価や利益は派手だ。
でも、会社が本当に生き残れるかは、別の場所に書いてある。
それが、B/S(貸借対照表)。
B/Sを一言で言うなら、
会社の健康診断書
今どれだけ稼いでいるかではなく、決算断面の瞬間における
健康状態を見る表だ。
B/Sはたった3つでできている
B/Sは、実はとてもシンプル。
これは、2025年3月末時点のニトリHDのB/Sを図示したもの。

左:資産(Assets)
- 現金
- 工場
- 設備
- 売掛金
👉 会社が持っているものであり、事業活動をする上で運用している資産の内訳
右上:負債(Liabilities)
- 借金
- 社債
- 買掛金
👉 いわゆる借金。返済義務が生じているものであり、いずれ返さなければならないもの。
右下:純資産(Equity)
- 株主のお金
- 過去の利益の蓄積
👉 資産ー負債の返済義務のない資産。株主からの出資金や利益剰余金など
このバランスが、
会社の運命を左右する。
B/Sで最も重要な問い
B/Sを見るとき、
最初に考えるべき問いはこれだ。
「この会社、最悪の事態でも耐えられるか?」
この問いに、
対照的な答えを示したのが
倒産直前のタカタと当時のキッコーマンだ。

さらにブレイク資産を流動資産と固定資産に、負債を流動負債と固定負債に分けるとこのようになる。

倒産直前のタカタのB/S|限界まで追い込まれた体
エアバッグ問題で揺れたタカタ。
倒産直前のB/Sは、
まさに悲鳴を上げている状態だった。
特徴をまとめると、
- 巨額の負債
- 急増する引当金
- 純資産の急激な減少
- 自己資本比率の低下
表面上は、
「まだ会社は動いている」
ように見えても、
B/Sの中身はこう語っていた。
「もう、耐えられない」
利益が出る前に、
体力が尽きたのだ。
当時のキッコーマンのB/S|静かに強い体質
一方、老舗企業のキッコーマン。
ITのように派手な成長株ではない。
でもB/Sは、非常に安定していた。
- 厚い純資産
- 過度な借金に頼らない構造
- 安定した自己資本比率
- 現金創出力の高さ
キッコーマンのB/Sは、
こう語りかけてくる。
「多少の嵐では倒れない」
売上が一時的に落ちても、
持久戦に耐えられる体をしていた。
タカタとキッコーマン、B/Sで見る決定的な違い
| 視点 | タカタ | キッコーマン |
|---|---|---|
| 負債 | 重い | 軽い |
| 純資産 | 急減 | 安定 |
| 自己資本比率 | 低下 | 高水準 |
| 耐久力 | 短距離型 | 長距離型 |
ここで重要なのは、
倒産は、突然起きるわけではない
B/Sの中では、
ずっと前から兆候が出ている。
利益より先に、B/Sは壊れる
多くの投資家は、
- 売上
- 利益
- 成長率
に目を奪われる。
でも現実はこうだ。
会社は、赤字で倒産するのではない
資金が尽きて倒産する
B/Sは、
その「尽きる予兆」を見極める上で非常に有益な情報。
B/Sは地味。でも最強の防御力
一般的にB/SよりもP/Lの方が理解のしやすさやニュースにも取り上げられやすく、B/Sは日の影になることが多い。
- ワクワクはしない
- 株価はすぐに動かない
- SNSでは映えない
でも、B/Sを読むと、
生き残る可能性の高い会社かどうか
は、感覚ではなく数値で分かる。
まとめ|B/Sは会社の“足腰”
タカタのB/Sは、
限界まで追い込まれた体だった。
キッコーマンのB/Sは、
長く走れる余裕のある体だった。
株価は短距離走でB/Sはマラソンと例えるとすると。。
長期投資をするなら、B/Sは無視のできない重要な情報となる。